高度人材の永住申請は優先して審査される?審査のポイントと申請中の注意点を行政書士が解説

「高度専門職ビザを持っているのに、永住申請の結果がなかなか届かない」

高度専門職ビザには「優先処理」という優遇があるため、永住申請も早く審査されると考える方が多いようです。

結論からお伝えすると、高度専門職の方の永住申請だからといって、優先して早く審査されるわけではありません。むしろ、ふつうの永住申請より結果が出るまで長くかかることが多いのが実情です。

この記事では、高度専門職ビザの優先処理と永住申請の関係、審査に時間がかかりやすい理由、結果を待つ間に気をつけたいことを解説します。

※正確には在留資格「高度専門職」「永住者」ですが、この記事では、一般的に伝わりやすい「高度専門職ビザ」「永住ビザ」という表記を使っています。

記事の監修者

東京セントラル行政書士事務所
行政書士 谷田

在留資格申請をメインに運営している行政書士事務所です。
事務所所在地は東京日本橋駅から徒歩2分のところにあります。
お問い合わせはこちらからお気軽にお送りください。

目次

高度専門職ビザの「優先処理」は永住申請を早くするものではない

高度専門職ビザの優先処理と永住申請は別の審査(高度専門職ビザの入国・更新・変更の手続きは優先処理あり、永住申請は優先処理の対象外)

高度専門職ビザを持つ方には、在留期間「5年」がもらえる、配偶者が働きやすくなるなど、いくつかの優遇があります。出入国在留管理庁の高度人材の優遇措置のページでは、そのひとつとして「入国・在留手続の優先処理」が挙げられています。

この優先処理は、高度専門職ビザで日本に来るときや、高度専門職ビザの更新・変更などの手続きを想定したものです。永住申請は、高度専門職の方だからといって早く結果が出るわけではありません。

行政書士 谷田

永住申請は、高度専門職ビザの手続きとは別の審査です。高度人材の方の永住申請は時間がかかるものと考えて、早めに準備を始めておくと予定を立てやすくなります。

高度人材の方が受けられる優遇でいちばん大きいのは、永住申請までに必要な在留の年数が短くなることです。原則10年のところ、ポイントが80点以上なら1年、70点以上なら3年で永住申請の対象になります。くわしくは高度専門職ビザの解説記事でご確認いただけます。

高度人材の永住申請に時間がかかりやすい理由

永住は期限のない許可なので、慎重に審査される

永住ビザは、在留期間の期限がなく、活動の制限もないビザです。一度許可されると更新の審査がないため、入管は申請の段階で多くの点を確認します。

出入国在留管理庁の永住許可に関するガイドラインでは、主に次のような点が求められています。

  • 法律を守り、まじめに生活していること(素行が善良であること)
  • 世帯の年収が、世帯人数に応じた日本人世帯の平均収入を上回る水準に継続して達していること(2027年4月1日以降の申請では、将来の年金の見込額も確認されます)
  • 税金や年金・健康保険の保険料を期限どおりに納め、入管法の届出などの義務を守っているなど、永住を認めることが日本の利益になると認められること(2027年4月1日以降の申請では、日本語能力なども考慮。高度人材の方は日本語能力の考慮の対象外)

これらは高度人材の方でも同じように確認されます。在留の年数の条件が短くなっても、ほかの条件の確認が簡単になるわけではありません。

ポイントを満たし続けているかも確認される

高度人材の永住申請はふつうの永住申請の確認にポイントの確認が加わるため審査が長引きやすい(申請時点と1年前・3年前の時点)

高度人材として永住申請する場合は、ふつうの永住申請の確認に加えて、高度人材のポイントを必要な期間ずっと満たしているかも確認されます。

80点以上で申請する方は申請時点と1年前の時点、70点以上で申請する方は申請時点と3年前の時点のポイント計算表を出し、その点数を資料で裏付けます。ふつうの永住申請より確認することが多いため、そのぶん審査が長引きやすくなります。

高度専門職ビザに切り替えていない方でも、ポイントを満たし続けていれば早めに永住申請できる場合があります。くわしくはみなし高度人材の永住申請を解説した記事をご覧ください。

審査にかかる時間は、入管や時期によって大きく変わる

永住申請の審査にかかる時間は、申請する入管や時期、申請の内容によって大きく変わります。当事務所で申請した例では、高度人材の永住申請は、ふつうの永住申請よりも結果が出るまで長くかかる傾向があります。申請が多い入管では、結果が出るまでかなり長く待つこともあります。

また、出入国在留管理庁の高度人材の永住許可申請のページでは、提出書類が足りない場合は追加の資料を求めることになり、資料がそろうまで審査を進めることが難しくなると案内されています。書類が足りないまま申請すると、書類がそろっている方の審査が先に進められます。

行政書士 谷田

書類をすべてそろえて出しても、審査が始まるまで長く待つことや、追加の資料を求められることはあります。書類をそろえるのは、足りないせいで審査がさらに遅れるのを防ぐためと考えてください。

審査をスムーズに進めるための準備

永住申請の書類準備から追加資料の提出までの流れ(書類を最初にすべてそろえる・申請する・追加の資料を求められる・期限までに提出する)

提出書類は最初にすべてそろえる

入管のホームページでは、80点以上・70点以上の別や、今持っているビザによって、提出書類が分けて案内されています。提出書類チェックシートを使って、自分に当てはまる書類を最初にすべてそろえることが大切です。

特に、過去の時点のポイントを裏付ける資料(前の会社の在職証明書や、当時の年収がわかる資料など)は、すぐに手に入らないことがあります。早めに準備を始めておくと安心です。

追加の資料を求められたら、期限までに出す

書類をすべてそろえて申請しても、審査の途中で入管から追加の資料を求められることがあります。たとえば、最新の課税証明書・納税証明書を出し直すよう求められることがあります。通知には提出の期限が書かれているので、期限までに提出するようにしてください。期限までに用意できない資料がある場合は、そのままにせず入管に相談しましょう。

結果を待つ間に気をつけたいこと

永住申請の結果を待つ間も今のビザの在留期限は進む(永住申請・結果を待つ間・今のビザの在留期限、更新は別に申請する)

今のビザの在留期限が来たら、更新の手続きが必要

永住申請の結果を待っている間も、今持っているビザの在留期限は進んでいます。永住申請をしたからといって、今のビザの期限が延びるわけではありません。

永住の審査中でも、今のビザの在留期限が過ぎると不法残留になってしまいます。在留期限が近づいたら、永住申請とは別に、今のビザの更新を申請してください。

更新の結果を待つ間に在留期限が過ぎたときの扱いは、特例期間中の出国を解説した記事でご確認いただけます。

審査中の転職は、ポイントや手続きに影響する

審査中に転職すると、年収や勤め先に関するポイントが変わり、審査に影響することがあります。転職するときは、ポイントや収入の状況がどう変わるかを先に確認しておくと安心です。

また、高度専門職1号の方は、働く会社が指定されています。勤め先が変わるときは、在留資格の変更の手続きが必要です。くわしくは高度専門職ビザの解説記事をご覧ください。

永住の許可を前提にした予定は、余裕をもって立てる

住宅ローンの申込みやご家族の予定など、永住の許可を前提にした予定は、結果がいつ出るかわからないことを踏まえて、余裕をもって立てておきましょう。審査の結果によっては、許可されないこともあります。

永住許可申請の手数料

永住許可の手数料は、許可されたときに収入印紙で納めます。2026年10月1日に手数料が改定され、永住許可の手数料は200,000円になりました(2026年9月30日までに受け付けた申請は、改定前の10,000円です)。

手数料は改定されることがあるため、申請前に必ず永住許可申請のページや手数料の減額・免除についてのページで最新の金額をご確認ください。

行政書士に依頼するとできること

高度人材の永住申請は、ふつうの永住申請の準備に加えて、今と過去の時点のポイント計算と資料集めが必要です。行政書士に依頼すると、次のような点で手間を減らせます。

行政書士に依頼すると
  • 今と過去の時点のポイントを計算し、80点・70点のどちらで申請できるかを確認する
  • 申請する方の状況に合わせて必要な書類を整理し、足りない書類がないようにそろえる
  • 申請書の作成や入管への申請、追加の資料を求められたときの対応を行う

高度人材の永住申請でお困りの際は、東京セントラル行政書士事務所にお問い合わせください。

まとめ

高度専門職の方の永住申請でも、優先して早く審査されるわけではありません。むしろ、ふつうの永住申請より長引くことが多いと考えて、準備や予定を立てておきましょう。

  • 高度専門職ビザの優先処理は、永住申請を早くするものではない
  • 永住申請は期限のない許可のため慎重に審査され、高度人材の方はポイントの確認も加わるぶん長引きやすい
  • 審査にかかる時間は、申請する入管や時期、申請の内容によって大きく変わる
  • 書類が足りないと審査がさらに遅れるため、最初にすべてそろえて出す(それでも追加の資料を求められることはある)
  • 審査中も、今のビザの在留期限が来たら更新の手続きが必要
行政書士 谷田

ご自身での申請に不安がある方や、申請の手間を減らしたい方は、ぜひ一度東京セントラル行政書士事務所にご相談ください。

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よくある質問

高度専門職ビザを持っていれば、永住申請は早く審査されますか?

高度専門職ビザの優先処理は、永住申請を早くするものではありません。ポイントの確認も加わるため、ふつうの永住申請より時間がかかることが多いと考えておくのが安全です。

>>優先処理と永住申請の関係を見る

永住申請の審査を早くする方法はありますか?

審査の時間を短くする方法はありません。東京出入国在留管理局では、書類をすべてそろえて申請しても、審査が始まるまでに長い時間がかかっています。また、書類をそろえていても、審査の途中で最新の課税証明書・納税証明書などの追加の資料を求められることがあります。時間がかかる前提で、今のビザの更新や今後の予定に余裕をもっておくことが大切です。

>>結果を待つ間に気をつけたいことを見る

永住の審査中に、今のビザの在留期限が来たらどうすればよいですか?

永住申請をしていても、今のビザの期限は延びません。在留期限が過ぎる前に、今のビザの更新を申請してください。

>>結果を待つ間に気をつけたいことを見る

永住の審査中に転職してもよいですか?

転職すると年収や勤め先に関するポイントが変わり、審査に影響することがあります。また、高度専門職1号の方は勤め先が変わると在留資格の変更の手続きが必要です。転職を考えている方は、事前にご相談ください。

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