【高度人材】高度専門職の配偶者に就労制限はある?特定活動・家族滞在ビザの違いや2号配偶者の場合を解説

「高度専門職外国人が結婚したら、配偶者に就労制限はある?」「配偶者のビザは特定活動と家族滞在ビザ、どちらを選べばいい?」

結婚を控えている高度専門職外国人の方のなかには、配偶者と共働きしたい方も多いでしょう。その際、配偶者は日本でどんな職に就けるのか、就労制限があるのかが気になる部分ですよね。

この記事では、高度専門職ビザの配偶者が対象となる在留資格の種類による就労制限の違い、申請に必要な書類などを詳しく解説します。

高度専門職ビザを持ち、これから配偶者を日本に招きたい方や、配偶者の就労範囲を理解したい方は、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

※正確には在留資格「高度専門職」「家族滞在」「特定活動」ですが、この記事では、一般的に伝わりやすい「高度専門職ビザ」「家族滞在ビザ」などの表記を使っています。

記事の監修者

東京セントラル行政書士事務所
行政書士 谷田

在留資格申請をメインに運営している行政書士事務所です。
事務所所在地は東京日本橋駅から徒歩2分のところにあります。
お問い合わせはこちらからお気軽にお送りください。

目次

【高度人材】高度専門職1号・2号の配偶者に就労制限はある?

高度専門職1号・2号の配偶者にも、就労には一定の制限があります。ただし取得する在留資格の種類によっては、他の就労系ビザに比べて学歴や職歴の面での制限が少ない点が特徴です。

高度専門職ビザを持つ方の配偶者として日本に滞在する場合、「家族滞在ビザ」「特定活動告示33号」「特定活動告示33号の2」のいずれかの在留資格を得る必要があります。

就労の面での3つの在留資格の違いは以下のとおりです。

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項目家族滞在ビザ特定活動告示33号特定活動告示33号の2
対象就労ビザを持つ方の配偶者・子高度専門職外国人の配偶者高度専門職外国人の配偶者
高度専門職ビザ
の取り方
ポイント制度
特別高度人材制度
ポイント制度特別高度人材制度
就労の可否原則不可
(資格外活動許可で
週28時間まで可)
フルタイム就労可フルタイム就労可
職種の制限・アルバイト・研究
・教育
・技術・人文知識・国際業務
・興行(一部の芸能活動)
※学歴職歴要件なし
・左の4つ
・教授
・芸術
・宗教
・報道
・技能
※学歴職歴要件なし

それぞれの在留資格について詳しく解説します。

家族滞在ビザ

家族滞在ビザは、就労ビザを持つ方の配偶者や子が取得する在留資格です。

原則として就労は禁止されていますが、資格外活動許可を得ることで、週28時間まで働くことができます。

高度専門職ビザの配偶者であっても、家族滞在ビザで日本に在留する場合は週28時間までの就労となります。

特定活動告示33号

特定活動告示33号は「高度専門職外国人の就労する配偶者」と呼ばれる在留資格です。

対象となるのは以下のいずれかに該当する方の配偶者です。

対象
  • ポイント制を使って高度専門職1号を取得した外国人
  • 現在高度専門職2号で、高度専門職1号のときにポイント制を使って滞在していた外国人

特定活動告示33号では、以下の就労ビザに対応する活動と同じ範囲で働くことができます。学歴や職種による制限はありません。

就労範囲
  • 研究
  • 教育
  • 技術・人文知識・国際業務
  • 興行(商品の宣伝、テレビ番組・映画の製作、商業用写真の撮影、CD・映像の録音・録画などの芸能活動に限る)
行政書士 谷田

高度専門職ビザをもつ外国人の配偶者であること以外に、「日本人と同等額以上の報酬を受けること」や「高度専門職ビザの外国人と同居すること」という条件も満たす必要があります。

特定活動告示33号の2(特別高度人材)

特定活動告示33号の2は「特別高度人材外国人の就労する配偶者」と呼ばれる在留資格です。特別高度人材制度(J-Skip)を使って高度専門職1号のビザを取得した外国人の配偶者が、日本でフルタイムの仕事をするために使います。

対象となるのは以下のいずれかに該当する方の配偶者です。

対象
  • 特別高度人材制度(J-Skip)を使って高度専門職1号を取得した外国人
  • 現在高度専門職2号で、高度専門職1号のときに特別高度人材制度(J-Skip)を使って滞在していた外国人

特定活動告示33号の就労範囲である、「研究」「教育」「技術・人文知識・国際業務」「興行」に加えて、以下の5つの職種でも働けます。

就労範囲
  • 教授
  • 芸術
  • 宗教
  • 報道
  • 技能
行政書士 谷田

特定活動告示33号と同じく、学歴や職歴に関する条件はありません。「高度専門職の方と同居すること」「日本人と同等額以上の報酬を受けること」という条件も同じです。

特定活動告示33号・33号の2の申請の流れ

申請の種類は、配偶者の方が今どこにいるか、どの段階かによって変わります。

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申請の種類どんなときに使うか
在留資格認定証明書交付申請海外にいる配偶者の方を、日本に呼ぶとき
在留資格変更許可申請家族滞在ビザなどで日本にいる配偶者の方が、フルタイムで働き始めるとき
在留期間更新許可申請在留期間を延ばすとき

高度専門職の方と一緒に来日する場合だけでなく、高度専門職の方が先に来日したあとで、配偶者の方を呼ぶこともできます。それぞれの申請の詳しい手続きは、入管のホームページで確認できます(認定・変更・更新)。審査にかかる期間は、申請する入管や時期、申請内容によって大きく変わります。入社日が決まっている場合は、余裕をもって準備を始めましょう。

海外から呼ぶ場合(在留資格認定証明書交付申請)の流れ

STEP
勤務先を決める

配偶者の方が働く勤務先と、雇用契約などを結びます。仕事の内容が対象の範囲に入っているか、報酬が日本人と同じくらいかを確認します。

STEP
書類の準備

働く仕事に応じた書類と、婚姻関係がわかる書類、高度専門職の方の在留カードの写しなどをそろえます。

STEP
入管への申請

日本にいる高度専門職の方や勤務先の職員、申請取次の行政書士などが、地方出入国在留管理局に申請します。

STEP
在留資格認定証明書の交付と査証の申請

在留資格認定証明書が交付されたら、配偶者の方が、住んでいる国の日本大使館・領事館で査証(ビザ)を申請します。

STEP
来日・在留カードの受け取り

空港で上陸許可を受け、在留カードを受け取ります。住む場所が決まったら、14日以内に市区町村の窓口で住居地の届出をします。

家族滞在ビザから切り替える場合(在留資格変更許可申請)の流れ

家族滞在ビザで日本にいる配偶者の方は、勤務先が決まったら、住んでいる地域を管轄する地方出入国在留管理局に在留資格変更許可申請をします。

注意したいのは、変更が許可される前に、週28時間を超えて働き始めてはいけないことです。家族滞在ビザのまま資格外活動許可の範囲を超えて働くと、資格外活動として罰則や退去強制の対象になるおそれがあります。入社日は、許可の見通しを立ててから決めましょう。

更新の申請は、在留期間が6か月以上ある方なら、期限が切れる3か月前からできます。

特定活動告示33号・33号の2の申請に必要な書類

特定活動告示33号・33号の2の申請書類は、「配偶者ご本人が働く仕事に応じた書類」と「高度専門職の方との関係がわかる書類」の2つが中心です。

働く仕事に応じた書類とは、たとえば技術・人文知識・国際業務の仕事をするなら「技人国ビザ」の申請で出す書類のことです。ただし、配偶者ご本人の学歴や職歴を証明する書類は出す必要がありません(出入国在留管理庁「在留資格『特定活動』(高度専門職外国人の就労する配偶者・特別高度人材外国人の就労する配偶者)」)。

ここでは、海外から呼ぶ場合の在留資格認定証明書交付申請の主な提出書類を紹介します。

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書類用意する人ポイント
在留資格認定証明書交付申請書 1通本人・会社働く仕事に応じた様式を使います。技人国・研究の仕事なら様式N、教育の仕事なら様式Iなど
働く仕事に応じた在留資格の提出書類本人・会社研究・教育・技術・人文知識・国際業務・興行など。雇用契約書や勤務先の会社の資料などで、勤務先のカテゴリーによって内容が変わります
高度専門職の方との婚姻関係がわかる書類本人戸籍謄本、婚姻届受理証明書、結婚証明書の写しなどのいずれか
高度専門職の方の在留カードまたはパスポートの写し 1通高度専門職の方配偶者である高度専門職の方のもの
所属機関の代表者に関する申告書 1通会社【2026年4月15日〜追加】

すでに日本にいる方が家族滞在ビザなどから切り替える在留資格変更許可申請ではの代わりに、パスポートと在留カードを窓口で見せます。更新の申請では、高度専門職の方と同居が続いていることも確認されます。

外国語で書かれた書類には、日本語の訳文を付けます。日本で発行される証明書は、発行日から3か月以内のものを出します。

ご注意ください

上記の書類は、在留資格認定証明書交付申請のときに提出する書類の一例です。申請の種類や申請人の方の状況によって、必要な書類は全く異なります。全てをそろえて提出したとしても、入管から追加の資料を求められ、別途資料の提出が必要になることがあります。

行政書士 谷田

働く仕事の内容によって、そろえる書類が変わります。まず「どの在留資格の仕事に当たるか」を整理することが、書類集めの近道です。

特定活動告示33号・33号の2の在留期間

特定活動告示33号・33号の2の在留期間は、5年・3年・1年のいずれかです。勤務先との契約期間や、日本に滞在する予定の期間などの事情をふまえて決まります。

在留期間が切れる前に更新の申請をすれば、条件を満たしている限り、続けて日本で働くことができます。

特定活動告示33号・33号の2の申請手数料

海外から呼ぶ場合の在留資格認定証明書交付申請には、入管の手数料はかかりません。

在留資格変更許可と在留期間更新許可は、許可されたときに手数料を納めます。2026年10月1日以降に受け付けた申請から手数料が改定され、許可される在留期間によって金額が変わるしくみになりました。窓口とオンラインで金額と納付方法が違うので、申請する方法に合うタブをご覧ください。

窓口で申請した場合は、許可のときに収入印紙で納付します。

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許可される在留期間手数料
1年33,000円
3年64,000円
5年75,000円

主な区分だけを抜き出しています。詳しくは在留資格変更許可申請のページやオンライン申請における手数料額のページをご確認ください。

お子さまや親を日本に呼びたい場合

高度専門職の方のお子さまは、在留資格「家族滞在」で一緒に暮らすのが一般的です。配偶者の方が特定活動告示33号・33号の2で働いていても、お子さまの在留資格は別に申請します。

また、高度専門職ビザを持つ方は、条件を満たせば親を日本に呼び寄せることも可能です。親の帯同には「特定活動告示34号」という別の在留資格を利用します。

世帯年収が800万円以上であること、7歳未満のお子さまの養育や、妊娠中の方のサポートを目的とすることなど、複数の条件をすべて満たす必要があります。

家事を手伝ってもらう人を雇いたい場合は、家事使用人の記事もあわせてご覧ください。

転職・退職・別居したときの手続き

特定活動告示33号・33号の2では、パスポートに貼られる「指定書」に、働くことが認められた勤務先が書かれます。そのため、勤務先が変わるときは、新しい勤務先で働き始める前に在留資格変更許可申請が必要です。就労ビザの方のように、届出だけで転職できるわけではありません。

在留中は、高度専門職の方との同居が続いていることが必要です。別居した場合は、許可された仕事を続けることが認められません。そのまま働くと資格外活動となり、罰則や退去強制の対象になるおそれがあります(出入国在留管理庁)。

また、正当な理由がないまま、許可された仕事を3か月以上していない場合は、在留資格が取り消される可能性があります(出入国在留管理庁「在留資格の取消し」)。退職したときは、次の仕事を探すのか、家族滞在ビザに切り替えるのかを早めに考えましょう。

高度専門職の方が永住許可を受けたり、ほかの在留資格に変わったりした場合も、配偶者の方の在留資格の前提が変わります。ご家族の予定が決まったら、早めに今後の手続きを確認しておくと安心です。引っ越したときは、住居地変更の届出も必要です。

高度専門職の配偶者の申請を行政書士に依頼するとできること

特定活動告示33号・33号の2の申請は、ご自身で行うこともできます。そのうえで、行政書士に依頼すると次のような負担を減らせます。

行政書士に依頼すると
  • 家族滞在ビザと特定活動告示33号・33号の2のどちらが合っているか、一緒に整理できる
  • 働く仕事の内容に合わせて、必要書類のリストを作り、雇用契約書の内容を確認してもらえる
  • 申請取次の届出をした行政書士が申請書を提出するため、ご本人や勤務先の方が入管の窓口へ行く回数を減らせる
  • 入管から追加資料を求められたときも、相談しながら対応できる

高度専門職の配偶者の在留資格の申請でお困りの際は、東京セントラル行政書士事務所にお問い合わせください。

まとめ

高度専門職ビザの配偶者が使える在留資格の種類と就労範囲の違い、申請に必要な書類や手続きの流れなどを紹介しました。この記事の重要ポイントは以下のとおりです。

  • 配偶者の在留資格には3種類があり、就労できる範囲や制限が異なる
  • 特定活動33号・33号の2であれば、学歴や職歴の条件なくフルタイムでの就労が可能
  • 高度専門職の方と同居していることと、日本人と同等額以上の報酬を受けることが条件
  • 在留期間は5年・3年・1年。勤務先が変わるときは、働き始める前に変更申請が必要
  • 別居すると、許可された仕事を続けることが認められない
行政書士 谷田

どの在留資格を選ぶべきかは、配偶者の就労予定や取得している高度専門職ビザの種類によって異なります。
ご自身での申請に不安がある方や、申請の手間を減らしたい方は、ぜひ一度東京セントラル行政書士事務所にご相談ください。

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よくある質問

家族滞在ビザと特定活動告示33号の違いは何ですか?

最大の違いは就労範囲です。家族滞在ビザは原則就労禁止で、資格外活動許可を得ても週28時間までしか働けません。

一方、特定活動告示33号であれば、指定された職種の範囲でフルタイムで働くことができ、学歴や職歴による制限もありません。

>>家族滞在ビザと特定活動告示33号の違いについて詳しく見る

配偶者を招へいするタイミングで特定活動告示33号の申請は可能ですか?

就労先の内定が出ていれば、内定の段階で海外から特定活動33号を申請することも可能です。ただし実務上は、招へい時は家族滞在ビザで申請し、日本での勤め先が決まってから特定活動33号に切り替えるケースが一般的です。

高度専門職1号配偶者と2号配偶者で何か違いはありますか?

高度専門職1号・2号どちらであっても、配偶者の就労範囲に違いはありません。しかし、高度専門職外国人本人がビザを取得する際、ポイント制を使ったか特別高度人材制度を使ったかで多少就労範囲の違いがあります。

高度専門職ビザだと親の帯同は可能ですか?

条件を満たせば、特定活動告示34号という在留資格を使って親を帯同させることが可能です。世帯年収800万円以上であることや、親との同居、7歳未満の子の養育または妊娠中の配偶者のサポートを目的とすることなど、複数の条件をすべて満たす必要があります。

高度専門職の親の帯同について詳しく見る

特定活動告示33号で働いている途中に転職するときは、届出だけで大丈夫ですか?

届出だけでは足りません。特定活動告示33号・33号の2では、指定書に勤務先が書かれているため、新しい勤務先で働き始める前に在留資格変更許可申請をする必要があります。

>>転職・退職・別居したときの手続きについて詳しく見る

高度専門職の夫(妻)と別居したら、そのまま働き続けられますか?

働き続けることはできません。特定活動告示33号・33号の2は、高度専門職の方と同居していることが条件です。別居したあとに許可された仕事を続けると資格外活動となり、罰則や退去強制の対象になるおそれがあります。別居を考えている場合は、早めに専門家にご相談ください。

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