「高度人材ポイント計算表」の各項目について行政書士が詳細解説

高度人材ポイント計算を自分でやってみたのですが、よくわからない項目があり困っています。分からない項目についてだけ解説してほしいです。

高度人材ポイント計算表の各項目について詳細に解説します。一緒に計算をしてみましょう。気になる項目についてだけ知りたい方は、目次から直接その項目に飛んで確認をしてみてください。このページは全ての項目について解説しています。

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動画でも解説しています

こちらの動画でも全項目について解説しています。ぜひ、ブログ記事と併せて確認をしてみてください。

目次

まずは高度人材ポイント計算表を手元に用意しましょう

高度人材ポイント計算表を、以下のボタンからダウンロードして使ってみてください。

高度人材ポイント計算表 ダウンロード
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学歴ポイント

学歴ポイントの全体像

 高度人材ポイント計算表の学歴ポイント計算では大まかに以下の3つの項目を見ていくことになります。

①学位の確認
②本邦の大学を卒業(ボーナス⑦)
③法務大臣が告示で定める大学を卒業(ボーナス⑪)

学位は原則最終学歴のみを加点

 学位のポイントは、最終学歴のみを加点します。学士と修士を持っている場合でも、修士のポイントのみが加点できます。学士と修士両方のポイントを合計することはできません。

例:学士と修士を持っている場合

正解:修士学位の20点だけをポイント加算
誤り:学士学位10ポイント+修士学位20ポイント=合計30点

疎明資料は学位証明書

学歴ポイント加点のためには、学位証明書が必須になります。卒業証明書や卒業証書だけでは加点されませんのでご注意ください。※ただし、卒業証書に、「〇〇学位を授与する」など、学位が証明されている場合には加点されます。

専門学校の称号を使う場合

 「高度専門士」の称号のみが加点対象になります。「専門士」の称号は加点されません。

ただし、あくまでも「専門士」が高度人材ポイント加点対象外という意味であり、「専門士」の方が「高度専門職1号」の在留資格の該当性が無いという意味ではありません。

中国の大学を卒業している場合

 中国の大学を卒業した方については、「短期大学」「成人高等教育」「自学考試」「専科課程」「通信課程」など、「本科」ではないコースを卒業している場合があります。「本科」以外を卒業している場合は学位証明書が発行されていないケースが多いです。学位証明書を提出できない場合、高度人材ポイントの学位の加点ができません。

大学の卒業証明書だけでは学位のポイント加点ができません。必ず学位証明書を提出しましょう。

MBAを取得している場合

 MBAを卒業している方は、学歴ポイントに更に5ポイントを追加加算が可能です。

高度専門職1号イロの方の注意点

最終学歴が博士学位の場合、MBAの5点加点ができません。

高度専門職1号ハの方

最終学歴が博士学位であっても5点の加点ができます。

複数分野で「修士以上」の学位の取得をしている場合

 複数分野で「修士以上」の学位の取得をしている方は、更に5ポイントを追加して計算することが可能です。

具体例:文学修士とMBAを持っている場合の計算方法

文学修士とMBAの学位ポイントは最終学歴のみなので【20点】
+MBAの加点【5点】
+複数分野の収支以上の学位の加点【5点】
=合計【30点】

修士以上の学位を複数持っている方は5点の加算が可能ですが、もし仮に修士以上の異なる分野の学位を3つ以上持っていたとしても、加算できるのは5点限りです。持っている分だけ累積で加点できるわけではありません。
(具体例)以下どのケースであっても加点できるのは同様に【5点】です。
文学修士+工学修士+経済学修士+法学修士=5点加点
文学修士+工学修士+経済学修士=5点加点
文学修士+工学修士=5点加点

日本の大学を卒業している場合(ボーナス⑦)

 追加で10ポイントの加点ができます。 この加点は、高度人材ポイント計算表のボーナス⑦に該当します。

本邦の大学や大学院を2か所卒業していたとしても10点のみ加算が可能で、10点×2という計算は出来ません。

加点対象大学を卒業している場合(ボーナス⑪)

 法務大臣が指定する加点対象大学を卒業している場合は、10点を追加加点できます。この加点は、高度人材ポイント計算表のボーナス⑪に該当します。

複数の加点対象大学を卒業していたとしても、10点限りしか加算することが出来ません。例えば2か所異なる加点対象大学を卒業していたとしても10点×2という計算は出来ず、10点のみ加点が可能です。

職歴ポイント

会社発行の証明書が必須

 職歴ポイントの証明資料としては、ご自身で作成した職務経歴書では足りません。必ず会社が発行した在職証明書や退職証明書を発行してもらう必要があります。また、在籍期間だけでなく、職務内容も証明も含めた証明書の発行をしてもらう必要があります。

職務内容が書かれていない在職証明書や退職証明書では、職歴ポイントの疎明資料としては情報が不足しており、職歴ポイントが加算されませんのでご注意ください。

職務内容の関連性が必要

 過去に何度か転職をしている方や部署移動があった方など、職務内容に変更がある場合、その職務内容に関連性があるかどうかも重要です。

(例)大学を卒業してから現在まで6年間ずっと一貫してIT関連の職務で一貫している方

高度人材ポイント計算をする上で、職歴が6年認められます。

(例)前職で3年間プログラマー+現職で3年間プログラマーを経験した方

高度人材ポイント計算をする上で、職歴が6年認められます。

(例)前職で3年間プログラマー+現職で3年間不動産コンサルティンを経験した方

高度人材ポイント計算をする上で、職歴は現職の3年のみ認められ、プログラマー時代の3年間は職歴として認められません。

(例)会社内でプログラミングの部署から経理の部署に異動した方

高度人材ポイント計算をする上で、職歴は現在の経理の部署の期間のみ認められ、プログラミングの部署の在籍期間は職歴として認められません。

職歴ポイントに参入できる職歴は、現在の職務内容と関連のある職務内容の職歴のみになります。

年収ポイント

高度専門職1号ハは年齢関係なく年収のみでポイントが確定します。

高度専門職1号イロは年齢と給料がマトリックスになっている年収配点表から、該当する点数を確認します。

書面で証明できる未来の確定年収のみが算入できる

 年収ポイントの計算では未来の年収を証明するという変わった考え方をします。未来の年収を証明するためには、不確定な要素は算入することが出来ず、確定的な報酬のみを算入しなくてはなりません。

立証資料

役員の方…役員報酬見込み証明書、給料について決められた役員報酬の議事録(会社発行のもの)
会社員の方…給与見込み証明書、採用内定通知書、雇用契約書(会社発行のもの)

海外年収を合算できる場合もある

 所属する海外企業と日本企業に資本関係があるようなケースで、申請人に対して今後も引き続き海外親会社と日本子会社の両方から給料が支払われる場合、海外企業の年収と日本企業の年収を合算して年収ポイント計算できる場合があります。多少の資本を持っている程度では認められず、持ち株比率51%以上の親子会社のような強い結びつきが必要です。

 海外企業と日本企業の資本関係を立証する資料や、海外企業で今まで申請人に対して支払われてきた銀行送金記録や給料明細などを求められます。

 海外年収合算については、管轄入管局によっても審査基準が異なる場合もありますので、慎重に進めた方が良いです。確実な在留資格許可を得るためには、この方法に頼らない方が良いです。

日本国内の2社の給料を合算できる場合もある

 日本で2つの法人を経営もしくは2つの会社に就労して2つの法人から給料が出される場合に、2社の年収を合算できるケースもあります。この方法を使うためには、在留資格申請の時点で入管に2社について説明し、許可される必要があります。指定書には2社の社名が記載され、「2社指定」と呼ばれます。

残業代は加算できるのか?

 書面上で金額が未確定な残業代は算入できません。書面上で金額が確定的な残業代は算入ができます。

年収ポイントに加算できる残業代の具体例

雇用条件通知書に『固定残業代月額30,000円(20時間分)』という確定金額の記載がある

年収ポイントに加算できない残業代の具体例

雇用条件通知書に『所定時間外労働あり』という情報のみが記載されており、確定金額の記載がない

年収ポイントの計算では未来の年収を証明するという変わった考え方をします。よって過去の残業代の支給実績を証明書類として添付しても年収ポイント計算に合算できませんのでご注意ください。過去の年収の証明ではなく、必ず未来の年収の証明を行うようにしてください。

ボーナスは加算できるのか?

書面上で金額が未確定なボーナスは算入できません。書面上で金額が確定的なボーナスは算入ができます。

年収ポイントに加算できるボーナスの具体例

雇用条件通知書に『賞与は月給の3か月分を支給』という確定金額が算出できる記載がある
雇用条件通知書に『賞与は50万円を支給』という確定金額の記載がある

年収ポイントに加算できないボーナスの具体例

雇用条件通知書に『賞与:業績等を勘案して年2回』のみ書かれており、確定金額の記載がない
『賞与:あり』のみ書かれており、確定金額の記載がない

年収ポイントの計算では未来の年収を証明するという変わった考え方をします。よって過去のボーナスの支給実績を証明書類として添付しても年収ポイント計算に合算できませんのでご注意ください。過去の年収の証明ではなく、必ず未来の年収の証明を行うようにしてください。

各種手当は加算できるのか?

 「技術手当」のような各種手当についても、残業代やボーナスと同様に考えます。雇用条件通知書等の会社発行書面に、確定金額が書いてある場合には加算ができますが、確定的な金額の記載が無い場合には合算ができません。

交通費は加算できるのか?

 交通費は一般的に、課税対象外の支給部分になります。課税対象外の支給については、年収合算対象外になります。

年齢ポイント

 申請日の時点で何歳なのかを基準に計算します。

高度専門職1号ハでは年齢ポイントの加点はありません。

疎明資料として、在留カードやパスポートのスキャンを添付しましょう。

ボーナス①研究実績

高度人材ポイント計算表に記載の条件を満たす特許や論文がある場合には加点されます。

高度専門職1号ハではボーナス①研究実績加点はありません。

特許の発明1件以上

立証資料

申請人が発明者となっている特許証

入国前に公的機関からグラントを受けた研究に従事した実績3件以上

立証資料

【本国の政府発行】の【あなた名義】の【補助金交付決定通知書】

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我が国の国の機関において利用されている学術論文データベースに登録されている学術雑誌に掲載されている論文

入管が審査対象としている学術論文データベースに掲載されている論文3件以上の責任著者になっている場合には加点の可能性があります。

  • エルゼビア社 の「サイバース・スコーパス(SciVerse Scopus)」
  • 米国国立医学図書館(NLM)の「パブメド(PubMed)」
  • クラリベイト・アナリティクス社の「Web of Science」

これらの学術論文データベースにご自身が責任著者となっている論文が掲載されているかどうかを確認してみてください。

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その他実績がある場合

立証資料

アピール内容及び法務大臣による確認を希望する旨の説明書
アピール内容が立証できる疎明資料を全て提出

その他、『特許の発明』『グラントを受けた研究実績』『学術論文データベースに掲載された論文3本以上』に匹敵するような実績があると考える場合は個別にアピールします。高度人材ポイント加点の可否は法務大臣の判断次第となります。こちらの項目は加点されるかされないのかの判断が非常に難しい項目です。全国誰もが認めるような著名な功績のある場合は、挑戦してみても良いかもしれません。

ボーナス②地位

 高度専門職1号ハ限定の加点項目です。代表取締役、代表執行役、取締役、執行役だけでなく、合同会社における代表権のある業務執行社員は10点、業務執行社員は5点加点されます。PDF版ではなくExcel版の高度人材ポイント計算表には、業務執行社員についても明記されていますのでご確認ください。

高度人材ポイント計算表 ダウンロード
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 高度専門職1号イ及びロではボーナス②地位加点はありません。

ボーナス③職務に関連する日本の国家資格の保有(1つ5点)

 高度専門職1号ロ限定の加点項目です。職務内容と関連する国家資格もしくはIT告示に該当する資格を保有している場合に2つまで加点されます。(1つ5点、最大10点)

国家資格による加点

 入管発行の表や参考になるページはありませんが、「職務に関連する国家資格」が加点対象とされています。職務への関連性が必要ですのでご注意ください。

IT告示による加点

 職務に関連するIT告示に記載のある資格を保有している場合には加点されます。日本の資格だけでなく、海外の資格もリストに含まれていますので、本国でIT関連の資格を取得している方も、ぜひ本国資格まで確認をしてみてください。

 高度専門職1号イ及びハではボーナス③職務に関連する日本の国家資格による加点はありません。

ボーナス④イノベーションを促進するための支援措置(法務大臣が告示で定めるもの)を受けている機関における就労

就労先がイノベーション促進支援措置を受けているかどうかを確認 

 以下のリンク先の2ページ目以降の別表第一及び別表第二に具体的な補助金の交付やその他の支援措置の具体的名称が羅列されています。

 就職先企業がこれらのいずれかの補助金の交付や支援措置を受けていないか確認してみてください。もしも該当するものがあれば10点加算が可能です。

就労先が中小企業に該当するかどうかを確認 

 就労先がイノベーション促進支援措置を受けており、更に中小企業である場合、更に10点加点されます。

中小企業加点がされるケース

イノベーション促進支援措置を受けている【10点】+中小企業に該当する【10点】=合計20点

中小企業加点がされないケース

イノベーション促進支援措置を受けていない【0点】+中小企業に該当する【0点】=合計0点

 単に中小企業であるだけでは加点されません。中小企業加点は、イノベーション促進支援措置を受けている会社であることが大前提ですのでご注意ください。

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ボーナス⑤試験研究費等比率が3%超の中小企業における就労

 損益計算書上の研究開発に関わる費用(「試験研究費」や「開発費」)が事業売上に対して3%を超えている企業での就労は5ポイントが加算されます。就労先企業の決算書上の「試験研究費」や「開発費」の項目の割合にも注目しましょう。

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ボーナス⑥職務に関連する外国の資格等

 該当する資格等を持っている場合はポイント加算が可能です。以下のリンク先を確認してみてください。

ボーナス⑦本邦の高等教育機関において学位を取得

 日本の大学もしくは大学院を卒業し、学位を取得している場合に加点されます。

学位証明書は必須資料です。

ボーナス⑧日本語能力試験N1取得者又は外国の大学において日本語を専攻して卒業した者

 N1取得者だけでなく、外国の大学において日本語を専攻して卒業した者やBJTビジネス日本語能力テストにおける480点以上の得点を得た者でも認められます。ボーナス⑦との重複加算が認められています。

ボーナス⑨日本語能力試験N2取得者

 N2取得者だけでなく、BJTビジネス日本語能力テストにおける400点以上の得点を得た者でも認められます。ボーナス⑦ボーナス⑧との重複加点は認められません。

ボーナス⑩成長分野における先端的事業に従事する者(法務大臣が認める事業に限る。)

 就労先企業が以下のリンク先一覧の事業のうちいずれか1つ以上を行っていてそれを書面で証明できる場合には加点が可能です。

ボーナス⑪法務大臣が告示で定める大学を卒業した者

世界大学ランキングに基づき加点対象となる大学

申請の際は、必ず最新の3つの世界大学ランキングも併せてご確認下さい。
加点対象は、以下のランキング2つ以上において300位以内の外国の大学又はいずれかにランクづけされている日本の大学です。

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スーパーグローバル大学創成支援事業(トップ型及びグローバル化牽引型)において補助金の交付を受けている大学

 トップ型もしくはグローバル化牽引型において補助金の交付を受けている大学を卒業した方は加点対象になります。文部科学省のホームページにてご確認ください。

外務省が実施するイノベーティブ・アジア事業において「パートナー校」として指定を受けている大学

 イノベーティブ・アジア事業におけるパートナー校を卒業された方も加点対象となります。以下のリンクは対象校の一覧です。

ボーナス⑫法務大臣が告示で定める研修を修了した者

 外務省が実施するイノベーティブ・アジア事業の一環として、外務省から委託を受けた独立行政法人国際協力機構(JICA)が本邦で実施する研修で、研修期間が1年以上のものが該当します。該当する研修を修了してその証明書を提出できる場合は、ポイント加算が可能です。
 但しこの研修は2017年度から2021年度までの5年間にわたって新規研修員の受入れを行っており、2017年9月から研修を開始、2025年3月に全て終了する予定です。

ボーナス⑬経営する事業に1億円以上の投資を行っている者

 経営する会社の登記簿謄本に1億円以上が登記されており、その資本金の出資を1億円以上行っていることが証明できる場合はポイント加算ができます。「経営する事業のために不動産を購入したからこの項目の加算ができるのではないか?」とご相談いただくことがよくあるのですが、不動産の購入で加算ができるというものではありませんのでご注意ください。

高度専門職1号イ及びロには当該ポイントの加点はありません。

ボーナス⑭投資運用業等に係る業務に従事

 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)に規定する第二種金融商品取引業、投資助言・代理業又は投資運用業に係る業務を行う場合に加点されます。

高度専門職1号イには当該ポイントの加点はありません。

ボーナス⑮産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るため、地方公共団体における高度人材外国人の受入れを促進するための支援措置(法務大臣が認めるもの)を受けている機関における就労

 以下のリンク先の支援措置を受けている企業で就労している方の場合、ポイント加算が可能です。就労先企業が該当する支援措置を受けているかどうか確認してみてください。

まとめ

 高度人材ポイント計算表の各項目を確認し、ご自身の高度人材ポイントを算出してみましょう。

 ご自身の学歴や職歴だけではなく、就労先の決算やイノベーション促進支援措置を受けているかなどでもポイントは大きく変わります。中には重複できないポイントもあります。

 そういった点にも注意しながら、正しい高度人材ポイントを算出してみてください。

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