「高度人材ポイント計算表」の各項目について行政書士が詳細解説

目次

各項目のポイントを押さえて計算してみましょう 

高度専門職の在留資格に興味があって高度人材ポイント計算を自分でしてみたのですがよくわからない箇所があって、自分の正確なポイントが分かりません…どうしたら良いでしょうか?

高度人材ポイント計算表の各項目の解説をします。一緒に計算をしてみましょう!

まずは高度人材ポイント計算表を手元に用意しましょう

ExcelとPDFはレイアウトが異なっています。Excelのみですが英語版もあります。
使いやすいものを使ってみてください。

学歴ポイント

最終学歴のポイントを採用する

 学位ポイントは重複計算ができません。例えば学士と修士を持っている方は学士の10ポイントと修士の20ポイントを合計して30点という計算をしてはいけません。最終学歴の20点だけをポイント計算に加算できます。専門学校を卒業している方は、高度専門士のみがポイント加算対象になりますのでご注意ください。また、中国の大学を卒業していたとしても「成人高等教育」「自学考試」「専科課程」などは場合によっては学歴ポイントが加算されないケースがありますので注意が必要です。

重複加算できるボーナスもある

 「日本の大学を卒業」「個別大学加点」「MBA」「複数分野で修士以上の学位取得」による加点は該当するもの全て合計できます。但し、それぞれの項目1回までしか加算できません。例えば日本の大学を卒業してその後別の日本の大学院を卒業したとしても、日本の大学を卒業のポイントは10点×2で20点という計算をしてはいけません。日本の大学を複数卒業していたとしても日本の大学を卒業の項目で得られるポイントは10点です。

その他参考ページ

職歴ポイント

退職証明書が発行できるもののみ加算できる

 過去の職歴がある場合にはポイント加算できますが、自己申告だけでは足りません。会社発行の書面で過去の職歴について証明する必要があります。会社に退職証明書を発行してもらうことが難しい場合は職歴ポイント加算ができません。補強資料として当時の写真や成果物があればさらに良いでしょう。

年収ポイント

見込年収を元に計算します

 見込年収とは何なのかというと、「今後このくらいの給料をもらう見込みですよ」という未来の年収になります。根拠資料としては、役員の方であれば株主総会等で決められた役員報酬の議事録、社員の方であれば採用内定通知書や雇用契約書に記載された給与の金額です。高度人材では未来の年収を証明するという変わった考え方をします。未来の年収を証明するためには、不確定な要素は算入することが出来ず、確定的な報酬のみを算入しなくてはなりません。よって、月額給与などは明確に金額が記載されているので年収ポイント計算の年収額に算入できるのですが、金額未確定のボーナスや残業代は高度人材ポイント計算における年収に参入することが出来ません。

海外年収を合算できる場合もあります

 日本国外の企業と日本企業の結びつきが強い場合には、日本国外企業から出される給料と日本の給料を合算して高度人材ポイント計算ができるケースもあります。在留資格申請の時点で入管にその旨を申告して、合算を認めてもらう必要があります。審査の結果合算が認められないこともあります。

日本国内の2社の給料を合算できる場合もあります

 例えば高度専門職1号ハの在留資格申請において、日本で2つの法人を経営して2つの法人から給料を出す場合に、2社の年収を合算できるケースもあります。在留資格申請の時点でしっかりと入管にその旨を申告して、事業計画等を認めてもらうことで成立します。審査の結果合算が認められないこともあります。

その他参考ページ

年齢ポイント

 申請日の時点で何歳なのかを基準に計算します。
 ※高度専門職1号ハでは年齢加点はありません。

ボーナス①研究実績

高度人材ポイント計算表に記載の条件を満たす特許や論文がある場合には加点されます。
※高度専門職1号ハではボーナス①研究実績加点はありません。

特許の発明1件以上 高度専門職1号イ…20点 高度専門職1号ロ…15点 

立証資料)申請人が発明者となっている特許証

入国前に公的機関からグラントを受けた研究に従事した実績3件以上

政府から補助金を受けて研究した実績のある方は加点の可能性があります。詳しくはこちらのページもご覧ください。

我が国の国の機関において利用されている学術論文データベースに登録されている学術雑誌に掲載されている論文

入管が審査対象としている学術論文データベースに掲載されている論文3件以上の責任著者になっている場合には加点の可能性があります。詳しくはこちらのページもご覧ください。

ボーナス②地位

 高度専門職1号ハの申請において高度人材ポイント計算表に記載の地位で登記されている場合には加点されます。以前代表理事や理事の場合はどうなのか入国管理局に確認しに行きましたが、ポイント計算表に記載のない地位なので、加点は厳しいかも…という返答でした。よって、代表理事や理事の方は、この地位ポイントは加点されない前提でポイント計算をしてみましょう。個人的には代表理事や理事も高度人材ポイント計算表に載せていただきたいなと思う所存です。
 ※高度専門職1号イロではボーナス②地位加点はありません。

ボーナス③職務に関連する日本の国家資格の保有(1つ5点)

 高度専門職1号ロの申請において職務内容と関連する国家資格もしくはIT告示に該当する資格を保有している場合に2つまで加点されます。

国家資格による加点

 入管発行の表や参考になるページはありませんが、「職務に関連する国家資格」が加点対象とされています。

IT告示による加点

 IT告示に記載のある資格であれば加点されます。
 ※高度専門職1号イハではボーナス③の加点はありません。

ボーナス④イノベーションを促進するための支援措置(法務大臣が告示で定めるもの)を受けている機関における就労

 以下のリンク先の3ページ目以降の別表第二に具体的な補助金の交付やその他の支援措置の具体的名称が羅列されています。就職先企業がこれらのいずれかの補助金の交付や支援措置を受けていないか確認してみてください。もしも該当するものがあれば10点加算が可能です。また、該当する補助金の交付や支援措置を受けていることが証明でき、さらにその会社が中小企業の場合は更に10点加点されますので合計20点加点されます。

「就労する機関が中小企業である場合には、別途10点の加点」について

 こちらについては誤解を招いているケースが多く見受けられます。この加点はあくまでもボーナス④に該当する企業だけの加点です。就労先が中小企業というだけで無条件に10点が加点されるというわけではありません。就労先がボーナス④のイノベーション創出企業に該当する場合で、さらにその企業が中小企業であった場合に、この10ポイント加点が可能です。

ボーナス⑤試験研究費等比率が3%超の中小企業における就労

 損益計算書上の研究開発に関わる費用(「試験研究費」や「開発費」)が事業売上に対して3%を超えている企業での就労は5ポイントが加算されます。就労先企業の決算書上の「試験研究費」や「開発費」の項目の割合にも注目しましょう。

ボーナス⑥職務に関連する外国の資格等

 該当する資格等を持っている場合はポイント加算が可能です。以下のリンク先を確認してみてください。

ボーナス⑦本邦の高等教育機関において学位を取得

 日本の大学もしくは大学院を卒業している場合に加算されます。学位証明書は必須資料です。

ボーナス⑧日本語能力試験N1取得者又は外国の大学において日本語を専攻して卒業した者

 N1取得者だけでなく、外国の大学において日本語を専攻して卒業した者やBJTビジネス日本語能力テストにおける480点以上の得点を得た者でも認められます。ボーナス⑦との重複加算が認められています。

ボーナス⑨日本語能力試験N2取得者

 N2取得者だけでなく、BJTビジネス日本語能力テストにおける400点以上の得点を得た者でも認められます。ボーナス⑦や⑧との重複加点は認められません。

ボーナス⑩成長分野における先端的事業に従事する者(法務大臣が認める事業に限る。)

 就労先企業が以下のリンク先一覧の事業のうちいずれか1つ以上を行っていてそれを書面で証明できる場合には加点が可能です。

ボーナス⑪法務大臣が告示で定める大学を卒業した者

世界大学ランキングに基づき加点対象となる大学

申請の際は、必ず最新の3つの世界大学ランキングも併せてご確認下さい。
加点対象は、以下のランキング2つ以上において300位以内の外国の大学又はいずれかにランクづけされている日本の大学です。

■クアクアレリ・シモンズ社公表のQS・ワールド・ユニバーシテイ・ランキングス
■タイムズ社公表のTHE ワールド・ユニバーシテイ・ランキングス
■シャンハイ・ランキング・コンサルタンシー公表のアカデミック・ランキング・オブ・ワールド・ユニバーシテイズ

スーパーグローバル大学創成支援事業(トップ型及びグローバル化牽引型)において補助金の交付を受けている大学

 トップ型もしくはグローバル化牽引型において補助金の交付を受けている大学を卒業した方は加点対象になります。文部科学省のホームページにてご確認ください。

外務省が実施するイノベーティブ・アジア事業において「パートナー校」として指定を受けている大学

 イノベーティブ・アジア事業におけるパートナー校を卒業された方も加点対象となります。以下のリンクは対象校の一覧です。

ボーナス⑫法務大臣が告示で定める研修を修了した者

 外務省が実施するイノベーティブ・アジア事業の一環として、外務省から委託を受けた独立行政法人国際協力機構(JICA)が本邦で実施する研修で、研修期間が1年以上のものが該当します。該当する研修を修了してその証明書を提出できる場合は、ポイント加算が可能です。
 但しこの研修は2017年度から2021年度までの5年間にわたって新規研修員の受入れを行っており、2017年9月から研修を開始、2025年3月に全て終了する予定です。

ボーナス⑬経営する事業に1億円以上の投資を行っている者

 経営する会社の登記簿謄本に1億円以上が登記されており、その資本金の出資を1億円以上行っていることが証明できる場合はポイント加算ができます。「経営する事業のために不動産を購入したからこの項目の加算ができるのではないか?」とご相談いただくことがよくあるのですが、不動産の購入で加算ができるというものではありませんのでご注意ください。
 ※高度専門職1号イロには当該ポイントの加点はありません。

ボーナス⑭投資運用業等に係る業務に従事

 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)に規定する第二種金融商品取引業、投資助言・代理業又は投資運用業に係る業務を行う場合に加点されます。
 ※高度専門職1号イには当該ポイントの加点はありません。

ボーナス⑮産業の国際競争力の強化及び国際的な経済活動の拠点の形成を図るため、地方公共団体における高度人材外国人の受入れを促進するための支援措置(法務大臣が認めるもの)を受けている機関における就労

 以下のリンク先の支援措置を受けている企業で就労している方の場合、ポイント加算が可能です。就労先企業が該当する支援措置を受けているかどうか確認してみてください。

まとめ

 高度専門職1号の申請を考えている方は、各項目の解説を参考にまずは高度人材ポイントを計算してみましょう。ご自身の学歴や職歴だけではなく、会社の規模や受けている支援措置、決算書の内容によってもポイントは大きく変わります。中には重複できないポイントもありますのでそういった点にも注意しながら算出してみてください。



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この記事を書いた人

入管業務を専門にしている行政書士です。「高度専門職」「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」のビザ取得に豊富な経験があります。受任できるビザの種類は限定しておりません。まずはお気軽にご相談くださいませ。

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