【比較してみた】「高度専門職1号ロ」ビザと「技術・人文知識・国際業務」ビザの違いは?

 日本での就労ビザにはさまざまな種類があり、それぞれのビザには異なる要件、活動できる内容の規定が設けられています。その中でも「高度専門職1号ロ」ビザと「技術・人文知識・国際業務ビザ」は、外国人労働者にとってどちらに該当するのか比較検討するビザの種類になっているのではないかと思います。本記事では、この二つのビザの違いについて解説します。

目次

高度専門職(高度人材)は転職前にビザの切り替えの申請が必要

 「高度専門職1号ロ」ビザを持っている場合、転職する際には在留資格変更許可申請が必要です。(高度専門職から高度専門職への変更申請をすることになります。)これに対して、技術・人文知識・国際業務ビザを持っている場合は、転職先が同じ職種であれば、ビザの変更を必ずしもすぐに行う必要はありません(但し入管への届出は別途必要です。オンラインでマイページを作成し、マイページから簡単に行うことができます。当事務所では、「就労資格証明書」の取得もお勧めしています。)。高度専門職(高度人材)ビザはそもそも指定書に記載のある所属機関との契約に基づいた就労のみ可能ですから、転職をして就職先が変わる場合、在留資格変更許可申請が必要になります。(高度専門職から高度専門職への変更申請をすることになります。)変更申請が許可になってから、転職先での就労活動を始める必要があります。

高度専門職1号ロビザ

  • 転職の際にはビザの変更申請が必須
  • ビザの変更申請の許可が下りるまで新たな職場での就労を開始してはいけない
  • 新しい職場で高度人材ポイントを満たすのかどうか、新たに審査される

技術・人文知識・国際業務ビザ

  • 転職後のビザの変更申請が必須ではない
  • 転職先の就労が必ず許可されるとは限らないので、「就労資格証明」を取得しておくのがおすすめ
  • 在留資格変更許可申請は行う必要がないが、別途、所属機関変更の届出は行う

 高度専門職1号ロビザを持つ方の場合は転職の際に必ず在留資格変更許可申請をしなくてはならないとため、転職に柔軟性がなくなる可能性があります。長期的に同じ職場での就労を考えている場合は、5年の在留期間や早期の永住申請ができる高度専門職(高度人材)ビザはとても魅力的です。

永住申請の早期申請の優遇措置に差がある

高度専門職1号ロビザは、ポイント制度に基づく優遇措置により、通常よりも早く永住申請することが可能です。一方、技術・人文知識・国際業務ビザには、このような早期申請の優遇措置はありません。

高度専門職1号ロビザ

  • 80点以上:高度人材80点になってから1年後に永住申請が可能
  • 70点以上:高度人材70点になってから3年後に永住申請が可能
  • 6歳以下のお子さんが日本で同居している場合親を招へいできる可能性がある
  • 家事使用人を招へいできる可能性がある

技術・人文知識・国際業務ビザ

  • 永住権申請には10年以上の日本滞在歴と5年以上の就労ビザでの滞在が必要
  • 親を呼べる制度は存在しない
  • 家事使用人を呼べる制度は存在しない

 高度専門職1号ロビザを持つ方は、早期に永住申請ができますし、親や家事使用人を招へいする制度も整っておりますので、長期的な日本での人生の計画を立てやすくなります。

就労できる範囲に差がある

高度専門職1号ロビザと技術・人文知識・国際業務ビザでは、就労できる範囲にも違いがあります。

高度専門職1号ロビザ

  • 許可された就労先の業務に加えて、就労先の事業に関連する事業を自ら経営することができる
  • 高度専門職2号に移行した場合は、イロハの枠を横断して柔軟に働くことができる

技術・人文知識・国際業務ビザ

  • 許可された就労先での就労活動のみ可能で、事業を経営することはできない

在留期間に差がある

高度専門職1号ロビザと技術・人文知識・国際業務ビザでは、在留期間にも違いがあります。

高度専門職1号ロビザ

  • 在留期間は5年

技術・人文知識・国際業務ビザ

  • 最初の在留期間は1年、3年、5年のいずれか

 高度専門職1号ロの場合、初回から5年間の在留期間が与えられるため、ビザの更新手続きの手間が減り、安定した生活基盤を築きやすくなります。

まとめ

 高度専門職1号ロビザと技術・人文知識・国際業務ビザには、多くの違いがあります。転職時のビザ切り替え手続き、永住申請の早期申請の優遇措置、就労できる範囲、在留期間など、ビザの特徴を理解し、自分に最適なビザを選ぶことが重要です。

  • 転職前のビザ切り替え申請:高度専門職1号ロビザは転職前にビザの切り替えが必要。技術・人文知識・国際業務は不要。
  • 永住申請の早期申請:高度専門職1号ロビザは早期の永住申請が可能。
  • 就労範囲:高度専門職1号ロビザは指定書に記載の所属機関と関連する事業を自ら経営することも可能。
  • 在留期間:高度専門職1号ロビザは5年の在留期間が与えられる。

これらの違いを踏まえ、自分のキャリアや生活計画に最適なビザを選択し、日本での生活を充実させましょう。


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この記事を書いた人

入管業務を専門にしている行政書士です。「高度専門職」「経営・管理」「技術・人文知識・国際業務」のビザ取得に豊富な経験があります。受任できるビザの種類は限定しておりません。まずはお気軽にご相談くださいませ。

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