日本の高度専門職(高度人材)ビザは、日本の経済社会における新たな活力の創造や国際競争力の強化等に大きく寄与する高度な知識、学歴や職歴、資格、技術などを持つ方に対して発行される特別なビザであり、数々の優遇措置が提供されています。しかし、このビザにはメリットだけでなく、いくつかのデメリットも存在します。本記事では、高度専門職(高度人材)ビザのデメリットについて解説します。
ビザ申請書類の作成の難易度が高い
高度人材ポイントの疎明資料を完璧にそろえる必要がある
高度専門職(高度人材)ビザを申請する際には、通常のビザ申請資料に加えて、高度人材ポイント制度に基づくポイントの疎明資料を完璧にそろえる必要があります。これにより、ビザ申請書類の作成が非常に複雑で難易度が高くなります。
- 必要な資料:
- 学歴証明書(卒業証明書や学位証明書など)
- 職歴証明書(在職証明書や退職証明書など)
- 年収の証明書(給与明細や納税証明書、会社発行の収入証明書など)
- 資格の合格証
- その他ポイントの立証資料となるもの
保有しているポイントに関する資料をすべて正確にそろえ、ポイント制度に基づく要件を満たしていることを証明する必要があります。特に、外国語で書かれた書類は日本語に翻訳する必要があり、このプロセスがさらに手間と時間を要します。
永住申請の早期申請の優遇措置を有効に受けるためにはポイントの継続を立証しなくてはならない
高度専門職(高度人材)ビザは、永住申請の早期優遇措置があることで知られていますが、この優遇措置を有効に受けるためには、ビザ取得時のポイントを継続的に満たしていることを証明し続ける必要があります。
- 80点以上の場合:1年後に永住申請が可能
- 70点以上の場合:3年後に永住申請が可能
上記の早期申請の優遇措置を利用する場合には、永住申請時にも同じポイントを維持していることを書類で証明する必要があります。これには、継続的な高収入、職務内容の維持、年齢などの兼ね合いや資格の保有状況などが影響します。このように、永住申請の早期申請の優遇措置を受けるためには、常に高度な基準を維持する必要があり、これが大きな負担となる可能性があります。
転職のたびにビザの再申請が必要
ビザの再申請と転職先での就労開始の遅延
高度専門職(高度人材)ビザを持つ場合、転職するたびにビザの再申請が必要となります。職場によってはポイントを満たさない可能性もあるため、転職する場合には改めて高度専門職(高度人材)ビザの申請をする必要があります。(高度専門職から高度専門職への在留資格変更許可申請を行うことになります。)このプロセスには時間がかかり、審査中は転職先での就労ができません。
まとめ
高度専門職(高度人材)ビザにはデメリットも存在します。ビザ申請書類の作成が複雑であり、永住申請時には継続的なポイントの立証が求められ難易度が高いです。また、転職のたびにビザの再申請が必要となり、その間の就労が制限されることがあります。
これらのデメリットを理解し、適切に対応することで、高度専門職(高度人材)ビザのメリットを最大限に活かし、日本でのキャリアを築くことができます。デメリットが小さく感じられる程の優遇措置が認められ数々の特典が存在するのが高度専門職(高度人材)ビザの魅力です。高度専門職(高度人材)ビザの取得を目指す方は、これらの点を踏まえて準備を進めてみてください。
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